こんにちは。アスレティックトレーナーのヨシキです。
Exercise is medicineという言葉があるように運動は薬と同等、またはそれ以上の効果をもたらすことがあります。
しかしながら全員が筋トレを積極的に行った方が良いという訳ではありません。
なかには筋トレを行ってはいけない人や医師の許可を得てから行った方が良い人や条件が存在しています。
今回は筋トレをやる人なら知っておきたい「絶対禁忌」と「相対的禁忌」について書いていきます。
絶対禁忌とは「その行為によって生命の危機にさらされるもの、もしくは不可逆的な障害を招くもの」であり、相対的禁忌とは「それほどの危険性はないものの、医療上通常行ってはならないこと」を意味します。
絶対禁忌に当てはまる人は筋トレを行ってはいけませんが、相対的禁忌に当てはまる人は医師の指示に従って筋トレを行うようにしましょう。
絶対禁忌
- 不安定な冠動脈疾患
- 代償されていない心不全
- コントロールされていない不整脈
- 重篤な肺高血圧症
- 重症で症状のある大動脈弁狭窄症
- 急性心筋炎、心内膜炎、心外膜炎
- コントロールされていない高血圧(収縮期180以上、拡張期110以上)
- 急性大動脈解離
- マルファン症候群
- 活動性増殖性網膜症、中程度から悪化傾向のある非糖尿病性網膜症患者に対する高強度(80〜100%1RM)の筋力トレーニング
上記に当てはまる方は禁忌なので筋トレを行ってはいけません。
では、医師の診断のもと必要であれば行った方が良い状態は何でしょうか。
相対的禁忌
- 冠動脈疾患の主要リスクファクター
- 糖尿病
- コントロールされていない高血圧(収縮期160以上、拡張期100以上)
- 運動耐容能が低い(4METs以下)
- 骨格筋系の制限がある
- ペースメーカーや除細動器の挿入者
上記に当てはまる方は必ず医師の許可を得てから筋トレを行うようにしましょう。
相対的禁忌についての解説
冠動脈疾患の主要リスクファクターとは「動脈硬化」「脂質異常症」などがあります。
糖尿病であれば「空腹時血糖が110以上」であれば注意が必要です。
高血圧の方は筋トレではなくウォーキングなどの有酸素運動から始めることによって安全に改善することがあります。
過去に診断された、もしくは上記の数値に当てはまる方は医師の確認が必要です。
運動耐容能とは、平たく言えば体力を指します。
4METsの運動強度は2階に登ったり、平地を1分間で90〜100m歩ける体力を表します。
その他の運動強度について詳しく確認したい方はこちらをご覧ください。
骨格筋系の制限があると偏った負荷がかかり、別の箇所を負傷する可能性があります。
この場合は整形外科の先生に相談しても良いでしょう。
最後にペースメーカーや除細動器の挿入者についてですが、定期的なペースメーカーチェック、不整脈のチェックを行った上で循環器内科の先生と相談し運動の可否を決めましょう。
ざっと、筋トレをしてはいけない人や条件について書きましたが、これ以外に不安な点や心配があれば気軽に下記からの相談も待っています。
都内の大学病院にて心臓に問題を抱えている方のリハビリを行っていた専門家が分かりやすくお答えします^^