スポーツジムとかでよく見る「機能改善」ってどんな意味?(ヨシキ)


こんにちは!アスレティックトレーナーのヨシキです。

さて、今回はスポーツジムやフィットネスクラブなどでよく見る「機能改善」という言葉について書いていきます。

みなさんはこの言葉をみてどのようなイメージがありますか?

「機能」とはFunction(ファンクション)と言って、一時期に流行ったファンクショナルトレーニングの語源の一つになります。

ファンクショナルトレーニングは直訳すると「機能的なトレーニング」ですね。

だけど、この意味をあまり理解せずに使用しているトレーナーも少なくはありません。

機能という言葉を深掘りする

そんな「機能」ですが、Oxford Languagesの定義によると

物のはたらき。作用。法律では、機関がその権限内で活動できる能力

Oxford Languages

とされています。

人の体で表すのであれば、「物のはたらき」「作用」が適切ではないでしょうか。

そうなると、この「物(身体)のはたらきや作用を改善すること」「機能改善」として意味をなすように感じます。

機能(身体のはたらき、作用)を改善することに対して「機能改善」という言葉が使われるのであれば、機能を改善させるようなトレーニングとファンクショナルトレーニングはイコールではないと思っています。

ファンクショナルトレーニングは「機能的なトレーニング」であって、機能を改善させるためのトレーニングではありません。

では、これら二つの違いは何でしょうか。

このあたりについて理解するには「作用」と「はたらき」をもう一度考えてみる必要がありそうです。

身体における作用、はたらきって何だろうか?

先ほどチラッと「作用」「はたらき」という意味が機能には含まれていると話しましたが、今度はこの二つが身体にどのような影響を与えるかについてです。

身体には「可動域」や「筋力」というものがあります。

その他にも「運動パターン(右に体を捻るときに目線を右に向けた方がもっと捻りやすいなど)」があったりします。

これらも身体が生きるために兼ね備えている「機能(作用、はたらき)」であり、これらの機能が何らかの理由で機能しなくなると、適切に手足を動かせなくなったり、反応が鈍くなってしまいます。

そこで登場するのが「機能改善」です。

「ファンクショナルトレーニングじゃないのー?」という方は一呼吸置いて考えて欲しいのですが、機能的なトレーニングがファンクショナルトレーニングです。

ということは、機能的に身体を動かせることが前提条件としてあります。

つまり「作用」や「はたらき」を改善する必要がないということです。

一方、改善の余地があることを「機能改善トレーニング」又の名を「コレクティブ(修正)エクササイズ」とも言ったりします

機能改善のまとめ

  • 機能を高めるための運動が「ファンクショナルトレーニング」
  • 機能を改善するための運動が「機能改善(コレクティブエクササイズ)」

※本当はトレーニングとエクササイズを混同させたくない、、、

この二つの違いを理解すると、機能改善は「0からプラスを目指すことではなく、マイナスから0を目指すこと」として解釈しやすいと思います。

筋力のバランスが崩れたり、可動域が大きすぎたり、小さくなりすぎることで不都合が出ると、その周辺に負担をかけてしまい「痛み」が出ます。

この痛みというのは「腰痛」かもしれないですし「ひざ痛」かもしれません。

痛みの改善にも使える用語が「機能改善」だと言えます。